女性のための起業ガイド 経営計画をたてよう

理想のお客様像を考えるペルソナ設計

あなたの商品・サービスを購入してくれるのは、どんな人でしょうか?
どんな人に喜ばれる商品を提供したいですか?
あなたの商品で助けられる人、喜んでくれる人を「ペルソナ」として理想のお客様の指針にしましょう。

ペルソナは、商品やサービスの設計、宣伝・集客などあらゆる場面で大切な指標になりますので、早めにしっかり考えておきましょう。

マーケティングにおけるペルソナ設定とは?

「ペルソナ」とは、商品やサービスを購入するユーザーの代表的な一人のこと。
名前から、勤務地、家族構成などを設定することが多いですが、かならずしも実在する必要はなく、架空の人物として設定されます。

ターゲットとペルソナの違い

「ターゲット」と「ペルソナ」は同じ意味として使われることもあるのですが、一般的には「ペルソナ」は個人、ターゲットは属性をあらわします。

わかりやすく例えると、ターゲットは「30代既婚女性、小学校低学年の子ども一人」。
ペルソナになると「山田花子さん、34歳、小学校2年生の女の子一人。広告代理店勤務。東京都千代田区のタワーマンション25階在住、趣味は…」みたいな感じです。

ペルソナの設計方法

企業の場合はユーザーとなりそうな人へアンケートを取ったり、市場調査したりした結果からまとめていくことが多いのですが、個人事業主の場合は、友人や知人をモデルにしてしまうのもおすすめです。

特に、困り事や悩みを解決するために商品やサービスをリリースしたいと思っている方は、実際に困っていた昔の自分自身でも良いですし、同じ悩みを抱えている友達でもok
女性は共感力が高いので、実際に存在する人物を「ペルソナ」に設定することで、グンと説得力のある宣伝ができたり、喜ばれる商品を作ることができたりします。

ペルソナの設定項目

友人や知人の場合は、その人そのものをペルソナにしてしまってOKですが、仮想の人物の場合は、名前や写真なども用意して、実在の人物として向き合えるようにしておくと、ビジネスの軸がぶれにくくなります。

ペルソナの設定項目の例

年齢、性別、住んでいる場所
仕事(仕事内容、役職)
生活パターン(起床時間、通勤時間、勤務時間、就寝時間、外食派or自炊派)
最終学歴
価値観、物の考え方
今課題と感じていることやチャレンジしたいこと
恋人・配偶者の有無、家族構成
人間関係
収入、貯蓄性向
趣味や興味の対象
インターネット利用状況 利用時間、所持しているデバイス

上記は一般的な設定項目ですので、あなたの商品やサービスにつながる項目や、こだわりなどを自由にプラスしてください

ペルソナのサンプル

ペルソナ設計の例

  • 名前:佐々木幸子(ささきさちこ) 
  • 女性 東京都品川区在住
  • 現在は専業主婦。文系大学卒業後、出産までIT企業で事務職をしていた。
  • 外資系IT企業勤務の夫、1歳2ヶ月の息子の3人ぐらし。
  • 起床はAM6:00。夫のお弁当を作って送り出し、午前中は息子と公園や児童館で過ごすことが多い。
  • PM8:00には子どもを寝かしつけて、夫と晩酌をしながらゆっくり過ごすのが日々の楽しみ。
  • 世帯年収1,200万円、タワーマンション中層階在住。持ち家。夫は育児にも協力的。
  • ママ友は多く、子どもを連れてみんなでランチに出かけることも多い。
  • 料理やお菓子作りが好きで、得意。おしゃべりも好きで、持ち寄りパーティーも大好き。
  • iphone、ipadを所有。子どものお昼寝時間や、眠る前の数十分で雑誌を見たり、新しいレシピを検索したりするのに活用している。
  • 子ども中心の生活に不満はないけれど、時々今後について「このままで良いのかな?」と漠然とした不安を感じる。
  • いつかは子供を大切にしながらも、自分を中心に充実した人生を送ってみたいと憧れている。

写真はフリー素材、内容もすべてフィクションですが、これくらいまで細かく設定すると、実在の人物のような気がしてきませんか?
リアリティを出すことで、どんな商品が喜ばれるか、どんな媒体にどんな訴求で宣伝をすれば効果的なのかを判断する指針ができます。

写真があることで、迷ったときにもぱっと顔が浮かんで、この人に喜ばれるには…と考えることができるようになりますよね。

ペルソナの活用方法は?

ビジネスを進めていくと、何かを決めるときに「本当にこれでいいのかな?」と不安になることがあると思います。
そんなときには、ペルソナを思い浮かべてみましょう。
「この人は、この決断を喜ぶかな?」「これを提供することで、買いたい!」と思ってくれるかな?
と考えてみると、その判断がOKなのかNGなのかが自然にわかるはずです。

ペルソナ使用例(価格設定)

世帯年収300万円の家庭の主婦と、世帯年収1200万円の家庭の主婦では、自由にできる金額に差があるのは当然です。

毎月2000円のお小遣いでやりくりしている主婦に、5,000円のサロンをアピールしても売るのは難しいのですが、毎月5万円のお小遣いを自由に使っているワーママなら、気にせずに払える金額になってきます。
価格設定が変われば、商品やサービスの内容も自然に変わってきますよね

ペルソナ使用例(宣伝手段)

スマホやタブレットを持っているのか、パソコンでネットを見るのか、何時頃にどの媒体をみているのかによって、力をいれるSNSや、広告を出す媒体も変わってきます
細かく言うと、宣伝文の作り方や、告知サイト・ブログの作り方も変わってきますよね。

ペルソナ使用例(商品設計)

ペルソナが「おしゃべり大好き」と社交的な女性なのであれば、ワークショップなどでお話しながらワイワイと楽しいサロンが喜ばれそうです。
逆に「もくもくと作業をすることが好き」なペルソナであれば、講座形式にしてじっくり手元の作業に向き合うほうが、喜ばれるかもしれません。

具体的すぎ、ターゲットを絞りすぎでは?

ペルソナに関しては、恐れずに徹底的に絞って大丈夫です。

このお話をセミナーなどですると、「もっといろいろな人に来てほしいんですが…」「私は誰でも受け入れたいんです」という方が結構な率でいらっしゃいます。
一人でも多くの人に購入してもらいたいのは当然ですよね。
ですが、ペルソナは絞ってしまっても大丈夫なんです。ペルソナは絞ったとしても、ちゃんと色々な人にも届きますので安心してください。

ペルソナ設計

たとえば、あなたが道を歩いていて「みなさ~ん」と呼びかけている人に出会ったときと、「〇〇さん!」と声をかけられた時、どちらに反応しますか?
おそらく、大多数の人が「みなさ~ん」の呼びかけには、足も止めません。
逆に、名前を呼ばれて立ち止まらない人も、ほとんどいませんよね。

学生時代を思い出しても、30人の教室で話している先生の授業と、マンツーマンで目の前にいる家庭教師の話、どちらが真面目に聞くかというのも同じです。

人は「自分に話しかけられている」と思わない限り、きちんと耳を傾けないものなのです。

ちょっと隣の人にも響く

あなたの隣の席の人に、何かのセミナー講師が「Aさん、あなたのビジネスにはやっぱりブログが絶対に必要だから。大変かもしれないけど書いたほうがいいよ」と語りかけていたとします。
Aさんは、絶対真剣に聞きますし、おそらくブログの開設を決意しますよね。

一方、隣に座っているあなたは、なんとなく耳をそばだてて聞いてしまうことって、ありませんか?
さらに「Aさんに必要なら、私にも必要かも…」とブログの開設をひそかに考え始めてしまうような気がしませんか?

これが、ペルソナの面白いところです。

誰か一人に対するピンポイントの真剣なメッセージは、ちょっと外側にいる人にも確実に刺さります

たった一人を動かせないメッセージ、商品、サービスは、誰一人として動かすことが出来ないのです。
一人が動けば、そこから口コミも広まりますし、いずれ多くの人が動くようになっていきます。

だから、ぜひ、安心してぎゅーっとターゲットを絞ってください

 

ペルソナは必要に応じてアップデートする

ペルソナを設定して事業を始めても、実際にお客様と接してみると「ちょっとペルソナとは違うタイプの人に喜ばれているかも?」なんていうこともよくあります。

また、1年、2年と経っていけば時代背景も少しずつ変わっていきますし、自分自身のスキルがアップしていったりして、「ちょっと、今目指すお客様像とは違うかも?」と感じることも出てきます。

ペルソナがずれているかも?と感じたときは、随時アップデートしてOKです。
いつでも修正していいのですが、「今週はAさんだったけど、来週はやっぱりBさん」みたいにコロコロ変えてしまうと、ビジネスの方向自体が定まらなくなってしまいます。
あなたのビジネスの指針になるものなので、じっくり取り組めるように最適なペルソナを設計してください。

 

まとめ:ペルソナ設計はあらゆる計画の基本になる

ペルソナは商品やサービスの内容を計画するところから、価格や宣伝方法にいたるまで、あらゆるポイントで「指標」となる存在です。

きちんとペルソナを設定しておくことで、ブレのない、筋の通った運営ができるようになりますので、しっかりと時間をかけて考えておいてください。

  • この記事を書いた人

ゆり

薬剤師から、某社のサーチエンジンクオリティアップチーム(検索エンジンの中の人)を経て、現在はフリーのwebマーケター&デザイナー&ライター。 1997年からWEBサイト制作をスタートし、企業のオウンドメディアのディレクション、LP制作、チラシ、名刺作成等をはじめとしたマーケティングの支援をメインに、個人でも20ほどのサイトを運営中。 東京都品川区をベースに、これまで1000回以上の親子向けの講座や企業コラボイベントを開催してきた「わたがしひろば(旧ママかつ)」の立ち上げ&ママ講師育成を担当。 品川区と協働で開催する子育てイベント「品川子育てメッセ」IT広報担当。大崎の地域情報誌「新鮮大崎」で子育て記事を連載するほか、品川区の子育て情報サイト「しなっこねっと」の運営など、子育てママをいろいろな側面からサポート中。 私生活では男男女3児の母。

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