マーケティングとは?
マーケティングとは、簡単に言うと価値のある商品やサービスを、お客様にとどけるための仕組みです。
もっとわかりやすく言うと、「必要なものを必要な人に届きやすくすること」。
マーケティングにはいろいろな理論やフレームワークがありますが、ここで覚えてほしいのは一つだけです。
大切なのは「お客様の立場からすべてを考える」こと。
これを身に着ければ、マーケティングの90%はマスターしたも同然です。
マーケティングとセールスの違いって?
「セールス」は、販売。
わかりやすく言うと「この商品はこんなにいいものだから買ってください!」という売り込みです。
よく「今月の販売目標〇件!」のようなものが営業の場にはありますが、これはまさにセールス目標ですね。
「マーケティング」は、お客様に「売ってください」と言わせる仕組み。
わかりやすく言うと「この商品を手に入れれば、あなたはこんな風に幸せになります」という提案です。
気づいたでしょうか?
「セールス」の主語は「商品」、「マーケティング」の主語は「あなた=お客様」なんです。
違いとしては、これを覚えておくだけでOK。
この「主語をお客様にする」ことを覚えておくと、マーケティングがぐっと簡単になるはずです。
マーケティングって何をするの?
マーケティングには、主に「市場調査・分析」「戦略設計」「広報・宣伝」「効果の検証」の4つがあります。
「市場調査・分析」は、お客様が何を求めているのか?を調べること。
「戦略設計」は、市場調査をもとに、どんな商品を、いくらで、誰に、どうやって、どこで売るのか?を計画すること。
「広報・宣伝」は言葉通りで、広告を出したり、SNS活動をしたりして商品を知ってもらう活動です。
「効果の検証」は上記の3ステップが本当に正しくかったのかを確認して、修正していくこと。
つまり、ビジネスを計画する上でのほぼ全てにマーケティングが関わっているということ。
だからこそ、個人事業主や中小企業の場合は、経営者が身に着ける必要があるんですね。
とはいっても、小さなビジネスの場合は、手が届く範囲の分析や広報宣伝活動で大丈夫。
なぜなら、大企業のように数千名なんていうお客様は不要だからです。
手が届く範囲のお客様に、満足していただけるようにマーケティングを活用していってください。
マーケティング思考を活用しよう
マーケティングの考え方を理解していると、ビジネスはぐっと楽になります。
商品を考えるときも、販売方法を考えるときも、どんな宣伝をするかも、すべて答えはお客様の中にあるからなのです。
マーケティング思考で商品を考える
「私はこれが作りたいから作って売る!」というのはもちろん大切なのですが、ここにマーケティングの思考を少しプラスしてあげると、「どうすればこの商品が、お客様に喜ばれるかな?」と考えを広げられるようになります。
「お客様の立場で考えるから、自分のやりたいことを捨てなければいけない」と勘違いされることがあるのですが、自分のやりたいことはとても大事です。それを捨ててしまったら、あなたがやる意味がなくなってしまいますから。
もちろん「マーケットイン」と呼ばれる、お客様が求めているものを作るのが、一番効率は良いです。
もともと求められているものを提供すれば、売れないはずがありません。
ただ、自分が作りたいものを作る(プロダクトアウト)のでも、マーケティングの考え方があれば売れる商品はいくらでも作れます。
たとえば、あなたがチョコレートを作りたいとします。
普通に作ればもう市場にはありふれていて、誰も見向きもしません。
でも、このチョコレートのカカオの濃度を上げて「美と健康を考えた、高カカオポリフェノール」と言った瞬間に、今まで「チョコは太るし、体に良くない」と思っていた大人が「身体のために欲しい」と思うものに変わるのです。
その証拠に、ダイエット中の私がコンビニで衝動買いしました…。
マーケティング思考で戦略を考える
あなたの商品やサービスの一番の売りはなんでしょう?
「栄養士の資格を持つ私が教える離乳食講座」
「ピアノ講師歴20年の先生が教えるリトミック」
それぞれに特徴や強みがありますよね。
これは、あなたの商品やサービスの「メリット」です。
マーケティングの世界ではこれをさらに深堀して「ベネフィット」に変えていきます。
「ベネフィット」というと難しそうですが、「商品やサービスを利用することで得られるお客様のハッピーな未来」と考えると、少し理解しやすくなるはずです。
たとえば先ほどの二つを
「一日の栄養バランスばっちり!赤ちゃんが喜ぶ離乳食講座」
「ピアノの生演奏で一緒にリトミックであそぼう!」
と変えると、ベネフィットを伝える文章になります。
ちょっと難しいかもしれませんが、視点が「商品やサービス」から「お客様が得られるもの・体験」に変わったことがわかりますか?
自分がお客様の立場に立った時、上の二つだと受け取った言葉から、自分がどうなるかを連想してはじめて「よさそう!」となるのに対して、下の二つの場合は、言葉を聞いた瞬間に自分がどうなるか、子どもがどんな笑顔を見せるかが脳裏に浮かぶのです。
これは商品やサービスの販売だけでなく、誰かに何かを頼んだり、求人の場面などでも使えるテクニックなので、ぜひ覚えておいてください。
マーケティングで大事なこと
マーケティングの本質は「良い商品を必要としている人とつなげる」ことです。
よく勘違いされる「どんな商品でもテクニックで売り込む」「だまして購入させる」ためのものではありません。
まずはお客様に喜ばれる「良い商品、サービス」があることが大前提。
商品やサービスを磨き上げ、マーケティングのテクニックを使って、お客様へ届けましょう。